【モバマス×化物語】阿良々木暦「しょうこトータス」
・化物語の設定は続終物語まで
・ネタバレ含まれます。気になる方はご注意を
・続終物語より約五年後、という設定です
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001
アイドルのプロデューサーとしてはや幾月が過ぎ、僕は出勤すると、机の下を覗くのが習慣となっていた。
理由は明確だ。
担当アイドルの何人かはどんな理由からか僕の机の下が気に入ったらしく、出勤するとかなりの確率で誰かしらいるのだ。
僕の机の下にどんな魅力があるのかは目下不明だが、アイドルたちが心地よいと思ってくれていると思えば悪くはない。
プロデューサーの机なんて触りたくもない、なんて言われたら泣いてしまう自信があるので、それよりは何倍もマシというものだろう。
「おはよう、星」
「お、おはよう……プロデューサー……フヒっ」
今日は星がいた。
体育座りの膝の上にキノコ栽培セットを抱え、いつもの胡乱な瞳で僕を見上げながら、口の端を吊り上げる彼女独特の笑顔を見せる。
最後のしゃっくりのような声は笑い声だ。
ちなみにここにいる確率が高いのは星、森久保がタイで多く、次点で早坂、遊佐、白坂だ。
星輝子、十五歳。
僕の担当するアイドルの一人であり、個性豊かなシンデレラプロダクションの中でも群を抜いてキャラが濃厚なのが彼女だ。
色素の薄い髪におっとりとした垂れ目、全体的に線の細い星は、外見だけをひと目見るととてもおしとやかなお嬢様、もしくは深窓の令嬢のように見えるが、実際はまるで違う。
まず彼女を語る上で欠かせないのが、キノコの存在だ。
彼女はキノコを友達と称し育てることを趣味としており、常にキノコを手放さない。
友達と言っている割には美味しくいただいているようなので、その辺りの線引きは本人にしか預かり知らないところなのだが。
ともかく、素で非常に個性的な子である。
付き合う上において癖は強いが、慣れると会話も楽しくなってくるから不思議だ。
なお、余談ではあるが僕はキノコ類は好きな方である。