【モバマス×化物語】阿良々木暦「みずきアワー」
・化物語の設定は終物語(下)まで
・ネタバレ含まれます。気になる方はご注意を
・終物語(下)より約五年後、という設定です
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かしゃん、と音がした。
こんにちは、川島瑞樹です。
本日はたいへんお日柄も良く、少し暑いくらいです。
赤外線対策に日傘やUVケアを忘れずに。
そんなフレーズが頭をよぎる。
ああ、人間ってどうしていいかわからないと、勝手に自分が落ち着く思考に切り替えるんだ……二十八年生きてきたけれど、知らないことは沢山あるなあ……。
……うん、感心してる場合でも、現実逃避してる場合でもないのよね。
「どうしたの、お姉ちゃん」
「ううん、なんでもないのよ」
なるべく動揺を隠して笑顔を作る。
なに、女子アナの頃に作り笑顔の練習は飽きるほどにして来た。
今でもどんな精神状態でも一秒で自然な笑顔になれる自信はある。
「そう? そんな感じじゃないけど」
鼻で笑うようにそっぽを向く彼。
僕に隠し事をしても無駄だよ、とでも言いたげだ。
……生意気ね。
まあ、小学生の男の子なんて、生意気盛りだしいいのだけれど。
おばちゃんとか言い出さないだけ全然いい子だ。
言ったら言ったで殴るけどね。
でも異性の子供と二人きり、という状況がこれ程までに気まずいものとは思わなかった。
なんとなく話題が合わせづらいというか……。
小学生の時、クラスの男子ってどんな話してたっけ。
「ええと……な、何か食べたいものとか、ある?」
「ないよ」
「…………」
川島瑞樹という人間の主観として、そんなに子供は嫌いじゃない方だとと思っている。
シンデレラプロダクションにおいては年下の子が九割以上を占めるし、小学生の子達だって所属している。
彼女たちは皆、私からしたら同じ事務所の仲間であり家族も同然だ。
けれど、やっぱり彼は男の子だからだろうか、舞ちゃんや仁奈ちゃんみたいに上手く接することが出来ない。