【モバマス】夜のドタバタ
夜、寝苦しくて目が覚めた。
季節は夏――シンデレラプロジェクトの、恒例の合宿中だ。
普段と枕が違うと眠れない、という細やかな神経では無いつもりだったのだが、
蒸すような気温と、寝相で乱れたシーツのシワが気になる。
「……」
聞こえるのは、虫の鳴き声。
田舎の虫は大きく、数も多いためその鳴き声は都会の比ではない。
だが、今はその鳴き声も夜のBGMとしては相応しい。
「……」
モゾモゾと体を動かし、少しだけ体勢を変える。
それだけで、また安らかな眠りの世界に戻れる。
そう、思ったのだが、
「グッスリ寝てる」
「プロデューサーさんの寝顔、可愛いです♪」
「ふーん。まあ、悪くないかな」
私の部屋に、侵入者が居た。
「!?」
今の声は、ニュージェネレーションズの三人。
何故、私の部屋に居るのですか、という疑問は一先ず置いておこう。
今は、一刻も早く体を起こし、彼女達に注意をしなければいけない。
よし、体を起こ――
「……!?……!?」
――まさか、ここで、金縛り……!?