メイド「二人きりになってしまいましたね、坊ちゃま」 少年「うん、そうだね」
彼に残されたのはいくばくかの財産と、メイドが一人
少年「…なんで、ついてきたの?」
メイド「まあ、冷たい言い方ですね。もちろん坊ちゃま御一人では心配だからです」
少年「他のメイドはみんな他へ行くか郷里に帰っちゃったよ?君もそうすればよかったのに」
メイド「私には帰る家も行く当てもございません。それはよくご存じかと思っていたのですが」
少年「もし同情でついてきてるのなら絶対嫌だと思ってさ」
メイド「どうしてですか?まだ小さな男の子がたった一人世間に放り出されるのはあんまりですもの、かわいそうだと思いますわ」
少年「今度は子ども扱いか。君って本当にイヤな奴」
メイド「すねちゃって、かわいらしいですね」
少年「うるさい!とにかく、自分のことは自分一人でできるんだから、君なんかいらないんだからね?」
メイド「強がりですねえ」