【アイマス×化物語】阿良々木暦「はるかデモン」
・化物語の設定は終物語(下)まで
・ネタバレ含まれます。気になる方はご注意を
・終物語(下)より約五年後、という設定です
・アイドルマスターは箱マス基準
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001
「人とは、滑稽であるな」
と、彼女は言った。
まるでその格好が彼女の象徴であるかのように、腕を組み、首を傾け、不遜な笑みを浮かべ、頸骨をぽきりと鳴らし、こちらを見下ろして。
いつかのキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを想起させる、傲慢と美しさを同居させた様は、立ち向かうべき敵ながら驚嘆の一言に尽きる。
思想や教義をいくらでも流布出来る情報氾濫時代において、外面からのカリスマ性は現代においては最も重要な要素ではないか。
「そうだな……僕も、そう思う」
人の上に立つ存在――権力者や統率者のことを、僕たちは王と呼ぶ。
規模の違いはあれど、王と呼ばれるべき存在は一線を画している。
画していなければならない。
不特定多数の人間の上に立つ以上は、凡夫であってはならないからだ。
王と呼ばれる彼らは、端的に言ってしまえば『代表』である。
「下賤な人の子よ、聞いてやろう」
単純に力が強い者、人心掌握に長けた者、戦略性に優れた者、容姿が美しい者、運の強い者、王は必ずどこかの部分で、統べられる輩より優れていなければならない。
血統だけで王を継いで行く国がいずれ必ず亡びの憂き目に遭う結果を迎えるのは当然とも言える。
解り易い例えで言えば、三国時代の中国などは典型的だ。
一代で国を築き上げた劉備・曹操・孫権の三人は、例外なく子孫の代で衰退し、50年も続かなかった。
肉親がどれだけ偉大であれ、王が凡夫では王として成り立たないのだ。
血統で国を統べるのであれば、我らが日の本の国のように象徴としての王でなければならない。