【ウルトラマンオーブ】僕たちの翼は真っ白
1: 2017/02/23(木) 22:24:09.28 ID:aSwZMWdb0
※ウルトラマンオーブのSSです。
※ほぼオリキャラだけで話が進みます。
※過去作品の怪獣・宇宙人が登場しますが、大幅に設定を変更しています。ご注意ください。
※実在の人物や組織とは一切関係ありません。
2: 2017/02/23(木) 22:27:07.90 ID:aSwZMWdb0
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3: 2017/02/23(木) 22:27:39.09 ID:aSwZMWdb0
僕の位置というものは、いつも一筋の細い線で表される。
それはどこまでも届きそうな大音量の底をまるで暗渠のようにひっそり流れるベースの音だ。
ボーカルは人を酔わせ、ギターは人を虜にし、ドラムスは人を扇動する。僕はそのどこにも位置しない。
いつでも僕はガラスのドームの中で演奏している気分になる。跳ね返る音を集めてそれを導く、地味な仕事だ。
そんな地味な仕事が僕は大好きだった。
今日は今までで一番大きなステージだった。山梨のスキー場のステージ。
七月の陽射しは強く、それに晒されている観衆は皆薄いシャツを汗ばませている。
それでもボルテージが収まることはない。僕たちの音に合わせて体を揺らせ、手を叩き、腕を振る。
その一体感が、僕は大好きだった。
視線を感じてちらりと横を見ると、風介がギターには目もくれず僕の方を見ていた。
目が合うとにやりと笑って走り出した。やれやれと思いながら僕もそれに付き合った。
拓実のドラムビートが加速する。ルリ子のウィスパーボイスにもどことなく熱が入る。
僕はこのバンド「モノクロクロウ」が大好きだった。
でも、大好きという気持ちは得てして危機を迎えるものなのだ。