少女不満足
以前に球磨川君の物語を書いていた者です。
きっと貴方が思っているよりも駄文なのでご注意下さいませ。
大体週に一本上げられたらいいかなという感じで、
ゆったりと進めていきたいと思うのでよろしくお願いします。
ではでは。
あの本を書くときに、十年掛かった。
あれから一年が経つ事となるのだろう、正確にはあの本の終盤から考えると一年と数カ月となるのだが、それ位は許容範囲として見てほしい。
一年、感慨深いのだろうか。
あんな風に自分のトラウマというものをもの惜しげなく余す所なく出版しておきながら、そういう感情に浸るなどと失笑されてしまうかもしれないが。
正直この一年で変わったことと言えば特にこれと言ってない、あれから一年経ったというのに、いや、あれから十一年経っても何一つとして変っていなかった。
あのトラウマから、人間として何一つとして成長した気が余りないというのは、やはり僕が捻くれているからだろうか、
一年間で人が変わるだなんてそれこそありえない、まるで小説のような話ではあるが、それでも、十一年で人が変わらないなどと、そちらの方が小説のようだ。
現実なのに。
僕はあの頃から変わらず、いつも通りに朝五時に起きて執筆を始める、今だ十一年前からのスタイルを、ルーチンワークを、捨てきれていない、それどころか悪化している。
情けないが、朝五時に起きる事が出来なければ小説を書く事が出来ない、一年前まではそう思っていた、いや、そうだったのだが、今は違う、
書く事が出来ないどころか、落ち着かない、まるで中毒のようだ、書きたいのに書けない、何というか、一日限りのスランプというような感じで、
不思議な感覚になってしまう、あのトラウマを書いた小説で、僕は『いっそのことスランプになってしまえ。』などと言ってはいたけれど、今思うと、
なんて馬鹿な事を言ってしまったのだろうと思う、オーバーワークなんてものじゃあないが、そこまでじゃないが、それでも書かなかったら一生書けないのではないかと思う程である。
これでは本当に変人だ、変人を気取るというよりも、そのものだ。
話がそれてしまったが、十一年で変わったことと言えば、きっとその程度の事だろう、一年前に僕の担当編集が変わったことを含めなかったら、なのだが。