【モバマス】Scarlet Days【後編】
六月二十五日、月曜日。
バタンッ!
加蓮「おっはよー!」
今朝の占いで恋愛運が絶好調だった私は、とても機嫌良く事務所のドアを開けた。
まゆ「うげぇ」
……は?反応酷くない?
私の気分が良いんだからまゆも喜ぶべきでしょ。
加蓮「は?」
ちょっと威圧してみた。
多分喜んでは貰えないと思うけど。
P「……おはよう、加蓮」
ちひろ「……おはようございます、加蓮ちゃん」
加蓮「なんでそんなに皆んな引いてるの……?」
あっれ、おっかしいな……なんで私が喜んでるのにみんなテンション低いんだろ?
まゆ「加蓮ちゃんがハイテンションな時のめんどくささを良くご存知だからですよぉ」
加蓮「は?私の何処がめんどくさいの?純粋さと手のかからなさが美人に宿ってお洒落な服着た様な人間だよ?!」
P「……なんかあったのか?」
加蓮「なんだと思う?逆に聞くけど、なんで今私がこんなに気分良さそうに話してるんだと思うの?!」
そーゆーとこ分からないの、実にプロデューサーって感じだよね。
加蓮「ま、今朝の星座占いで恋愛運が絶好調だったからなんだけどね」
叶う事は無いって分かってても、やっぱり嬉しいものは嬉しいし。
想い人には既に相手がいるって分かってても、それでも今日は良い事あったらいいなーなんて考えちゃう乙女な訳だし。
え、乙女って歳でもない?ぶん殴るよまゆ。
まゆ「なんだか謂れのない暴力を振るわれた気がしますねぇ……」
P「下らな……」
よし、殴るのはプロデューサーの方にしよっと。
加蓮「あ、まゆは最下位だったよ」
まゆ「同じ星座なのにそんな事あると思ってんですか?」
加蓮「え、同じ星座なの?」
まゆ「既に色々な矛盾が生じてる事を理解出来てますか?」
ま、まゆと私が星座同じって事くらい知ってるけど。
私の方が二日お姉さんなんだよね。
ほら敬って崇めて諂いなよ。
私の方がお姉さんだから。
加蓮「じゃあ私矛やるからまゆ盾持って」
まゆ「まゆも矛が良いです」
加蓮「それといつも思うけど、最強の盾とかワザワザ真正面から挑むのアホらしいよね」
まゆ「それに関してはとても同感ですねぇ」
ちひろ「ふふ、楽しそうですね」
P「混ざりたくは無いですけどね」
さて、それじゃ。
今日は久々のまゆと二人でのレッスン。
気張って頑張らないとね。