唯「和ちゃん、おはよー」
「かわいい」だ。
でも、私はちゃんとかっこいい唯も知ってる。
もちろん、それを言いふらしたりしない。自分だけが知っている『特別』にしたかった。
2年のとき澪と同じクラスになって、多くの時間を二人で過ごした。
会話の内容は大半が唯の話だった。
その中で知る。澪もかっこいい唯に気付いていたことに。
「1年の合宿のときに打ち上げ花火をたくさん仕掛けてさ、
その中心で唯がギターを弾いて歌ってたんだ。
キラキラのカラフルの光の中で凄く楽しそうに。
あれはかっこよかったなあ。和にも見せてあげたかったよ」
言葉だけでどれほど素晴らしい光景だったかが想像できた。
同時に私の知らないところで成長していく唯が居ることを思い知らされるようで、
胸が締め付けられる。