和「行き過ぎて後に」
――眼鏡を外し、空を見上げてみる。
青と、白と、茜色と。
ぼやけ、混ざり合い、淡く滲んだ色に染まった空。
私の身体を吹き抜ける空気の色も、きっと同じ色をしているのだろう。
距離もわからないほどにぼやけた空に、細く震える何かが飛んでゆく。
それが蜻蛉だと気づいた時。
それが赤色だと気づいた時。
淡い空が、ゆっくりと高くなって。ゆっくりと遠くなって。
私は、ただ逆巻く流れに身を任せ、目を閉じた。
――幼い空へと。
――眼鏡を外し、空を見上げてみる。
青と、白と、茜色と。
ぼやけ、混ざり合い、淡く滲んだ色に染まった空。
私の身体を吹き抜ける空気の色も、きっと同じ色をしているのだろう。
距離もわからないほどにぼやけた空に、細く震える何かが飛んでゆく。
それが蜻蛉だと気づいた時。
それが赤色だと気づいた時。
淡い空が、ゆっくりと高くなって。ゆっくりと遠くなって。
私は、ただ逆巻く流れに身を任せ、目を閉じた。
――幼い空へと。