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P「侵略者」
1: 2015/02/15(日) 20:58:16.59 ID:Sz2cAKJO0
久しぶりにまったりと投下していきます。
2: 2015/02/15(日) 20:59:50.92 ID:Sz2cAKJO0
ここは俺の城だった。
正確に言えば夜間。それも九時十時と言った律子や音無さんが帰ったあとからである。
誰もいない独りの事務所。
俺の指元から発せられるキーボードの音だけが唯一のBGMである孤独な戦場だ。
しかしそれは会社でありながら、まるで自分の部屋にいるがごとく人の目を気にする必要が無いということでもある。
携帯を弄りながら足でパソコンを操作する。逆立ちしながら熱唱するなんて日常茶飯事。
伊織のオレンジジュースを薄めておく。もう半分以上は水のはずだが、まだ気づいた様子はない。
亜美のゲームを微妙に進めておく。リオファネス城内でセーブしたのは不味かったかもしれん。
あずささん用のお菓子をカントリーマアムや源氏パイと言った高カ口リー系のみにしておく。罪悪感が激しい。
律子の予備眼鏡をピンホール眼鏡にしておく。まあこれは視力を良くしてもらいたいと言う願いも入っている。
そんな些細な悪戯も許される環境。
多くの自由が認められた夜の事務所は、帰る時間すら惜しむ俺にとっては第二の我が家であった。