【掌編】魔法使いの願い事
1: ◆Xz5sQ/W/66 2017/05/22(月) 04:57:53.60 ID:C7sGshBE0
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「とうとう運が向いて来たぞ」
薄暗くかび臭い秘密の地下室で、魔法陣を前にした男が言った。
彼は貧乏な魔法使い。
その日の食べ物にさえ困るような暮らしをしていたが、この魔法が無事に成功すれば、
途方もない富を得ることができるハズだった。
呪文を呟き、部屋の中におどろおどろしい空気が立ち込める。
「悪魔だ!」
男は自身が魔法陣の中に召喚した者の姿を見て、嬉しさの余り声を上げた。