梓「君にしか聞こえない」
1: 2011/09/09(金) 01:06:56.36 ID:iPhPIt55o
乙一の小説&映画「きみにしか聞こえない/Calling You」の唯梓パロです。
唯高校1年、梓中学3年
一部のキャラ設定が改変されてます
梓の制服はアニメ1期8話参照
唯高校1年、梓中学3年
一部のキャラ設定が改変されてます
梓の制服はアニメ1期8話参照
※シリアス注意
2: 2011/09/09(金) 01:07:28.35 ID:iPhPIt55o
――横浜市内、とある中学校
prrrr
教師「誰だ?授業中に携帯鳴らしてる奴は!」
prrrr
生徒「すいませーん」
教師「全く、授業中は携帯の電源は切っとけ。というか校内に携帯の持ち込みは禁止って言ってなかったか?ええ?」
私は多分、この学校で唯一携帯電話を持っていない生徒なのかもしれない。
そりゃあ本当はみんなみたいに携帯が欲しいし、こんなやり取りが正直羨ましい。
けど話す相手が殆どいない。
鳴らない携帯程、持ってて辛いものはないんだから。
教師「よし次!中野!」
教師「……中野、いないのか?」
梓「あ――」
教師「なんだ、いたのなら返事をしないか」
梓「すいません……」
教師「次、34ページから朗読してみろ」
梓「纏咳狙振弾、棍法術最強の流派として名高いチャク家流に伝わる最大奥義。この技の創始者、宋家二代、呉竜府(ご・りゅうふ)は正確無比の打球で敵をことごとく倒したという。この現代でいうゴルフスイングにも酷似した打撃法は、運動力学的観点からいっても弾の飛距離・威力・正確さを得るために最も効果的で――」
教師「中野、お前朗読の意味分かってるのか?そんな呟くような小声じゃ誰にも聞こえんぞ」
梓「……はい」
周りから失笑ともいえる笑い声が聞こえてくる。
けど今に始まったことじゃないし、何とも思わない。